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シリア
IPPF加盟協会はシリア地震の直後から被災者に寄り添い、リプロケアを提供しています
IPPFシリア(SFPA)は地震発生後、最初に被災地に到着した機関の一つとして、被災者のシェルターや宿泊施設への安全な避難を支援しました。
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| 15 December 2025
国連、性的指向および性自認(SOGI)に関する重要な人権専門家の任務を更新
(ジュネーブ発2025年7月7日)国連人権理事会は、国連機関で唯一、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランス(LGBT)および多様なジェンダーの人びとへの暴力や差別の問題を専門的に扱う独立専門家の公式任務を更新しました。 157の国や地域から1,259のNGO(非政府組織)が参加したキャンペーン(決議案の起草・提出等)を受け、国連人権機関(理事会)は賛成29票、反対15票、棄権3票で決議を採択しました。本投票が行われたことにより、人権理事会はすべての人に対する差別や暴力と今後も闘いつづけることを再確認し、多様な性的指向や性自認(SOGI)を持つ人びとの権利を尊重、擁護、実現する義務を各国に改めて喚起しました。本決議採択により、「性的指向と性自認(SOGI)に基づく暴力と差別からの保護に関する独立専門家(Independent Expert on sexual orientation and gender identity:以後 IE SOGI)」は、職務の続行が可能となり、その任期が3年間延長されました。現在は、南アフリカの学者、グレアム・リード氏が任命されています。マイカ・グルジウノヴィッツIPPF欧州地域事務局長は、「IPPFは、国連IE SOGIの任期更新を歓迎します。昨今、LGBTQI+コミュニティの権利や自由を標的とした攻撃が世界的に強まる中、IE SOGIの役割は極めて重要です。IPPFは、周縁化されたコミュニティへの世界最大級のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)サービス提供者として、身体の自己決定権および保健・医療ケアへのアクセスが当たり前ではないことを日々体感しています。世界中のLGBTQI+の人びとが尊厳を保ち、自らの身体について十分な情報に基づいて選択し、恐れ、暴力、差別にさらされることなく必要なケアにアクセスできるよう、引き続きIE SOGIと共に取り組んでいけることを嬉しく思います」と述べています。IE SOGIの任務は2016年に創設され、その後2019年と2022年に更新されました。その働きは、さまざまな地域の国々からの支持を増やしています。今回の任務更新決議案は、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、メキシコ、ウルグアイのラテンアメリカ主要6カ国が提案し、世界50カ国が共同提案しました。IE SOGIの任務は、国際人権法の実施評価、LGBTや多様なジェンダーの人びとへの暴力や差別に関する調査、加盟国・国連機関・その他の国際/地域システムの任務や機関における対応の支援です。IE SOGIが設けられて以来、歴代の3人の独立専門家が11カ国を公式訪問し、性的指向や性自認(SOGI)に基づく差別について17の報告書を作成しました。報告書のテーマは、合意に基づく成人の同性間関係が犯罪化される影響、ジェンダーを法的に承認する必要性、LGBTの人びとが強制的に移住を強いられる現況などです。人権侵害の申し立ては文書化され、全地域に広がる171カ国に通告されました。 IE SOGIの任務が3年間更新されたことで、今後も世界中のLGBTや多様なジェンダーの人びとの差別防止の取り組みが支援され、国際人権会議の場での当事者の発言や証言が増幅されます。世界中の市民社会は、すべての人々のために暴力や差別のない世界を実現することを目指し、IE SOGIによるこの重要な作業に全面的に協力するよう、各国政府に強く要請します。
| 26 September 2025
米国予算削減の打撃の中、エスワティニ、レソト、マラウイでHIV予防接種サービスを提供開始
2025年6月30日、国際家族計画連盟(IPPF)は、HIV曝露前予防薬(PrEP)の一種である長期作用型注射剤CAB-LA(長期作用型カボテグラビル)の提供をエスワティニ、マラウィで開始、試験プロジェクトをレソトで開始します。これはHIVとの闘いにおける大きな進展です。IPPFエスティワニ(FLAS)、IPPFレソト(LPPA)、IPPFマラウィ(FPAM)の3カ国のIPPF加盟協会(MA)では、HIV感染予防としてCAB-LAを希望する人びとに対し、まもなく提供を開始します。長期作用型注射剤CAB-LAは、HIV予防における画期的な手段といえます。PrEPは、HIV陰性の人びとのHIV感染リスクを大幅に減らすのに有効ですが、中でもCAB-LAは、8週間ごとの接種で感染リスクを大幅に低下させ、毎日の服用が必要な経口薬型PrEPの「飲み忘れ」の問題を解消します。CAB-LAは、米国の予算削減がSRHサービス、HIV予防対策、人道支援を提供する政府や組織に著しい打撃を与えている中で提供開始されます。財政面での制限制約は、必要不可欠なSRH関連の医薬品へのアクセスに世界中で大きな影響を与え、もっとも必要としている人びとのHIV予防や治療を脅かしています。そのような中、CAB-LAの提供開始は、HIV/AIDSとの闘いにおける大きな前進であり、予防期間を長期化し、接種が簡単で、薬の服用のように気づかれることもありません。IPPFエスティワニ、IPPFレソト、IPPFマラウィは、PrEPのためのCAB-LAを常設診療所および公共サービス提供拠点で提供する予定です。この取り組みは、すべての人々が確実にSRHケアを受けられるようにするために各国加盟協会(MA)が担う重要な役割を強調するものです。本件の詳細については、谷口百合(ytaniguchi@ippf.org)までご連絡ください。
| 26 September 2025
速報: 米国の医療物資廃棄指示により、アフリカの140万人以上の女性と女児が避妊具(薬)の提供を断たれる
2025年8月6日、米国が資金提供した避妊具(薬)約970万米ドル相当が、フランスで廃棄(焼却)処分となる予定であることが判明しました。このうち77%は、アフリカ地域にある5カ国(コンゴ民主共和国(DRC)、ケニア、タンザニア、ザンビア、マリ)への供給が計画されていました。これらの国では、すでに深刻な人道危機に直面しています。避妊具の焼却処分により、140万人を超える女性や女児が命を守るためのケアを受けることができなくなります。避妊具の使用期限は2027年から2029年のものが多く、有効かつ必要不可欠な医療物資が人びとの手に渡らずに横暴かつ無意味に廃棄されようとしています。影響を受ける国々のIPPF加盟協会(MA)も避妊具の供給先となっていました。しかし、焼却処分決定を受け、急激な供給不足に直面しています。ベルギーのブリュッセルに保管されている避妊具の40%以上は、タンザニア向けの出荷分に割り当てられていました。IPPFタンザニア(UMATI)のプロジェクトコーディネーター、バカリ・オマリーは、「極めて大きな問題に直面しています。米国国際開発庁(USAID)の対外援助削減で、タンザニアでのSRH(性と生殖に関する健康)サービス提供はすでに甚大な影響を受けていました。避妊具、特にインプラントの不足が深刻で、人びとの家族計画の選択に直接的な影響が及んでいます」と述べています。今回の措置は、米国の冷酷な政治決定に対する新たな怒りを招いています。破棄対象の避妊具はすでに製造・包装され、輸送準備も整っていました。IPPFは、米国の納税者に代わって配送費を負担する提案をしていましたが、米国政府はこれを拒否しました。ベルギーからフランスの施設までの輸送、保管、焼却の追加費用を考慮しても、米国政府の対応からは、明らかに政治的思惑が経済的合理性を優先していることがわかります。「使用可能な医療物資を廃棄することは、愕然とするほど非常に無駄な行為です。これらの命を救う医療用品は、リプロダクティブ・ヘルスケア(性と生殖に関する医療)がもともと限られている国々に送られる予定でした。特に、コンゴ民主共和国などでは、広範な人道支援の一環として捉えられていました。焼却は不当な行為であり、女性や女児の健康と権利を擁護する私たちの活動を弱体化させるものです」と、マリー・エヴリン・ペトルス=バリーIPPFアフリカ地域事務局長は述べています。IPPFのアフリカにおける現地パートナーは、人びとの命を救うケアサービスを提供する上で、今後さらなる課題に直面することになります。RHSC(Reproductive Health Supplies Coalition)の報告によると、避妊具の損失は、36万2,000件の望まない妊娠および11万件の安全でない中絶を引き起こすと推計されています。 タンザニア:103万1,400個の注射型避妊薬および36万5,100個のインプラントの供給中止。これは、タンザニア保健システムへのUSAID年間支援分の50%を超え、同国の年間必要量の28%にものぼります。マリ:110万880個の経口避妊薬および9万5,800個のインプラントの供給中止。これはマリの年間必要量の24%に相当します。ザンビア:4万8,400個のインプラントおよび29万5,000個の注射型避妊薬の女性への供給中止。ケニア:10万8,000人の女性が、インプラント入手不可能となり、これは年間必要量の13.5%に相当します。 IPPFケニア(Reproductive Health Network in Kenya)のネリー・ムニャシア事務局長は、「ケニアでは、米国の資金援助停止の影響がすでに現れています。資金凍結によって避妊具の在庫不足が生じ、15カ月分の備蓄が必要なところ、現在在庫は5カ月分を下回っています。その他にも医療従事者の能力向上研修が縮小され、デジタルロジスティクスや医療・保健情報システム(HIS)に混乱が生じ、ケニアの国家家族計画プログラムの資金不足比率が46%になりました。これらのシステム面での障害は、避妊具のアンメットニーズが高い状態で発生しています。ケニアでは15歳から19歳のティーンエージャーの約5人に1人がすでに妊娠または出産を経験しています。また、依然として妊産婦死亡原因の上位5位以内に安全でない中絶が入っている状況です」と述べています。IPPFフランス(Le Planning familial)のサラ・デュロシェール事務局長は、「私たちはフランス政府に対し、責任ある対応をとり、USAIDが資金提供した避妊具の焼却を防止する措置を講じるよう緊急措置を求めています。ベルギーなどが米政府に働きかけているにも関わらず、フェミニスト外交を掲げるフランスが沈黙を守っているのは到底容認できません。この不正義のなかで、命を救う支援物資を頼りにしていた人びととの連帯は、選択の余地のない道徳的義務です」と述べています。「必要不可欠なケアがイデオロギーによって破壊されるのを黙って見過ごすことはできません」と、バリーIPPFアフリカ地域事務局長も述べています。注:・影響を受けた国のIPPF現地パートナーは以下の通りです。Reproductive Health Network Kenya, Chama cha Uzazi na Malezi Bora Tanzania, Association Malienne pour la Protection et la Promotion de la Famille, Planned Parenthood Association of Zambia, Association Burkinabé pour le Bien-Etre Familial, Association pour le Bien-Etre Familial/Naissances Désirables 本件の詳細については、谷口百合(ytaniguchi@ippf.org)までご連絡ください。