2026年7月7日 ジュネーブ
国連人権理事会は本日、「人道危機下における女性と女児の人権の完全な実現の促進、保護および尊重」に関する決議を全会一致で採択しました。この決議は、国連の交渉を経て採択された成果文書として初めて、「リプロダクティブ・バイオレンス」をジェンダーに基づく暴力の独立したカテゴリーとして明示的に位置づけたものです。
決議の前文では、人道危機下にある女性と女児が、紛争関連の性暴力、人身取引、性的搾取、性的奴隷制などの性およびジェンダーに基づく暴力によって不均衡に強い影響を受けていることに深い懸念が示されています。
さらに今回初めて、「避妊の強制または拒否、強制妊娠、強制中絶、強制不妊手術などのリプロダクティブ・バイオレンス(集団を破壊する意図をもって行われる場合を含む)」が明記されました。
決議の本文では、すべての関係者がリプロダクティブ・バイオレンスを含む性およびジェンダーに基づく暴力の予防と対応に取り組む必要性を強調しています。また、年齢やジェンダーに配慮し、障害のある人を包摂し、サバイバーを中心に据えた、統合的で利用しやすく、安全かつ秘密が守られる通報・リファラル・サービス提供の仕組みを整備するよう求めています。
リプロダクティブ・バイオレンスとは、生殖に関する自己決定権(リプロダクティブ・オートノミー)を妨げることによって危害を与える意図的な行為または不作為、あるいは生殖能力を理由として向けられる暴力を指します。これには、強制妊娠、強制中絶、強制不妊手術、強制的な避妊、さらにはリプロダクティブ・ヘルスケア施設への攻撃などが含まれます。
強制妊娠や強制不妊手術など、リプロダクティブ・バイオレンスを構成する個々の行為については、すでに国際刑事裁判所に関するローマ規程において明示的に禁止されています。しかし、今回初めて「リプロダクティブ・バイオレンス」という、より広い範囲を包括する用語が、世界的な合意文書において正式に提唱されました。
国連人口基金(UNFPA)は、「リプロダクティブ・バイオレンスという言葉は、世界中の多くの女性と女児が経験してきた被害に名前を与えるものである」としています。この用語が存在しなければ、多くのサバイバーは適切な救済や法的手段を得られず、自らが経験した暴力を認識したり言葉で表現したりすることさえ困難になります。
今回の認定は、国連の人権メカニズム、国連機関、市民社会が積み重ねてきた取り組みを踏まえたものです。これらの機関は、リプロダクティブ・バイオレンスを性的暴力の下位概念としてではなく、独立した深刻な被害として記録・分析してきました。
また、国連事務総長による2025年北京宣言・行動綱領実施状況レビューでは、ガザ、スーダン、イエメン、シリア、ウクライナにおいてリプロダクティブ・バイオレンスが深刻化していることが指摘されています。
さらに今回の決議で「集団を破壊する意図をもって行われる行為」との文言が盛り込まれたことは、ジェノサイド条約(集団殺害罪の防止および処罰に関する条約)の表現を踏襲したものであり、このような行為の重大性を反映しています。これらの行為は、人道に対する罪を構成し得るものであり、2023年10月7日以降のイスラエルによる性およびリプロダクティブ・その他のジェンダーに基づく暴力について、国連・占領下パレスチナ地域調査委員会が示した調査結果にも表れています。
IPPF人道支援部門グローバル・テクニカル・リードのディアナ・プリド博士は、次のように述べています。
「この画期的な認定は、人道危機下にある女性と女児にとって重要な前進です。『リプロダクティブ・バイオレンス』という名称を与えたことで、人権理事会は、これまで十分に認識されてこなかった、独立した深刻な被害の存在を可視化しました。今後は、この前進をより強力な保護、サバイバー中心の支援サービス、そして加害者への説明責任の確保へと確実につなげることに的を絞っていかなくてはなりません。」
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