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米国によるベネズエラの国家主権の侵害および国際法違反に関するIPPF声明

IPPFは、米政府によるベネズエラへの帝国主義的介入および国際法違反、国家主権侵害を強く非難します。

2026年1月8日

国際家族計画連盟(IPPF)は、トランプ政権の帝国主義的な行動を強く非難するとともに、今後もベネズエラの人びとへの揺るぎない支援を表明します。

米国が202613日に行なったベネズエラへの爆撃は、資源が豊かな国家への米国の侵略の典型であり、同国をさらに不安定にするものです。ベネズエラは、これまでマドゥロ政権による軍事的弾圧と暴力にさらされていましたが、米軍による行動でさらなる危機に直面しています。トランプ政権の帝国主義的行動は、国際法、国家間の共存協定、そして主権国家の主権に対する重大な侵害に等しく、さらには軍事介入の脅威によって、民間人がより危険な状況にさらされています。力による政治、経済、領土の有無を言わさぬ支配は、人びとを平和、正義、解放からさらに遠ざける有害な植民地主義的かつ人種差別的な権力の行使です。こうした中、IPPFは、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ/ジャスティス(性と生殖に関する健康と権利/正義: SRHRJ)の闘いは、軍事化、帝国主義、そしてあらゆる形の暴力との闘いと切り離して考えることはできない、と改めて強調します。

IPPFは、ベネズエラが直面する政治的、経済的、社会的危機や移民危機(中南米最大規模の国外避難)への対応に尽力してきた人権擁護団体や市民社会と強く連帯します。マドゥロ政権時や今回の危機で最も重い負担を課されているのは、女性や女児、そして最も周縁化されたコミュニティの人びとです。反対の声を封じ、恐怖による支配で権力を集中させた結果、民主主義は崩壊し、暴力が激化し、経済は破綻に追い込まれました。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、これまで約790万人(総人口のおよそ3分の1)が、ベネズエラ国外に避難し、他に例をみない大規模な移民危機が生じています。

さらに、ジェンダー不平等、フェミサイド(女性を標的とした殺害)や女性、LGBTQI+、周縁化された人びとへの暴力の急増も顕著です。セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康:SRH)を含む保健医療サービスへのアクセスは不足し、中絶ケアサービスは限定され、人道危機にある人びとのウエルビーイング(健康に安心して暮らせること)よりも、政権の維持が優先されていたことが浮き彫りになっています。

IPPFは、ベネズエラにおけるセクシュアル・リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利: SRR)の深刻な軽視と、さまざまな権利侵害の問題を指摘してきました。ですから、この瞬間も、同国のSRHR(性と生殖に関する健康と権利)ニーズから目を逸らすべきではありません。自国でSRRを大きく後退させ、人権侵害を行った上、国際法に違反して植民地主義的な軍事介入を他国に対して断行したトランプ政権によって、人びとのSRHRはさらに損なわれる懸念があります。米国政府がベネズエラおよび他国でSRHRを始めとする権利を擁護する信頼には値しません。外部からの支配や押しつけられた政治の結果は、国内危機を一層悪化させ、必要不可欠なSRHサービスへのアクセスをさらに制限するものです。

IPPFは、ベネズエラ侵攻に反対する国際社会に連帯し、以下を表明します。

  • 米軍によるベネズエラ領土への侵攻およびマドゥロ大統領の暴力的拘束、国外への拉致・勾留の暴挙を強く非難し、断固反対します。侵攻で人命が失われ、修復不能な被害が生じ、ベネズエラの人びとに恐怖と不安が伝播しています。
  • 米国政府による武力行使に断固反対します。IPPFは、ラテンアメリカとカリブ海地域の30ヵ国、そして世界150ヵ国以上で活動する連盟として、これまでアジア、アフリカ、ガザやスーダンを含む中近東の壊滅的な危機の中、直接的な人道支援を行ってきました。今日、これまで国際社会に「平和な地域」と認識されてきた南北アメリカ大陸が、帝国主義的介入の舞台となっています。モンロー主義に由来するこのような行動は、国際社会では過去の遺物とされてきたはずのものであり、正義と平等に向けたこれまでの進展を危うくしています。
  • IPPFは、米国による侵攻の背後にある明白な地政学的・経済的利益について国際社会に警鐘を鳴らし、この危機に対峙するために地域諸国の団結を呼びかけます。いかなる状況でも、武力統治や資源への野心が国民の主権と尊厳に優先されるべきではありません。国民の自決権を他国の地政学的政策に従属させることがあってはなりません。
  • 私たちは、ベネズエラ国民との強い連帯を表明します。ベネズエラの人びとが、さらに長く苦しみの犠牲になり続けるようなことがあってはなりません。このような状況を直ちに転換することを要求し、米国や為政者に対して、民間人の生命を危険にさらす行動を停止し、人道支援団体や市民社会組織がSRHRJを含む医療・保健ケアを途絶することなく提供できるようにすることを求めます。女性や女児、周縁化されたコミュニティの人びとの命と尊厳が、歴史的な支配の論理によって脅かされてはなりません。
  • 米国の対外政策の見直しを求めます。協調外交を優先し、すべての人びとや国々の主権を尊重するものでなくてはなりません。ベネズエラへの攻撃をただちに再考し、国際法と人権の枠組みの中で、制度的かつ対話による解決策をとることを求めます。

IPPFは、すべての人びとが暴力から解放され、女性、女児、移動を余儀なくされている人びとおよび周縁化されたコミュニティの人びとのSRHRが保障される社会の実現にコミットしています。そのためには、植民地主義や帝国主義の負の遺産や再台頭の兆しに立ち向かい、それらを解体しなければなりません。

IPPFは、ベネズエラの現在および将来に関する決定を下すのは同国の人びとでなければならないことを改めて強調します。暫定大統領に新たな民主的選挙を求める憲法上の権利を含め、他国の干渉を受けることなく国民の自由意思と選挙プロセスによって決定される必要があります。

 

when

country

ベネズエラ

region

アメリカ・カリブ海地域

Subject

紛争