2025年1月24日、トランプ大統領はグローバル・ギャグ・ルール(GGR)を再導入する大統領令に署名しました。
国際家族計画連盟(IPPF)は、153カ国の加盟協会とパートナーの連合体であり、誰もが自らの健康、ウェルビーイング(安寧)、人生について決定する権利を守るために闘っています。IPPFは、安全な中絶を受ける権利を含め、個人の身体の自己決定権を積極的に制限または侵害する政策を決して支持しません。
GGR(メキシコシティ政策とも呼ばれる)は、望まない妊娠の継続や安全でない中絶を強要することによって女性の人権を侵害するものであり、IPPFはこれを容認しません。
米国の外交政策であるGGRの影響は広範で破壊的であり、米国国民にも受け入れられているとはいえません。その再導入により、IPPFのような国際支援組織が、他のドナーからの資金を使って安全な中絶サービスやカウンセリング、リファラル(紹介)を行うとした場合、米国からの支援は打ち切られます。署名を拒否する組織に対し、避妊、妊産婦の健康、中絶ケア、HIV/AIDSの予防や治療といった保健サービスのための重要な資金提供を停止するというものです。
これまで共和党の歴代大統領によって導入された際、GGRが妊産婦の死亡や計画外妊娠、危険な中絶の増加につながったという証拠が示されています。GGRは、女性や最も脆弱な人々の保健医療ケアへのアクセスを妨げ、SRHR擁護者の口を封じ、コミュニティで働く医療従事者の活動範囲を縮小し、国の主権を侵害するものです。 GGRの再導入は、本来ならば回避可能な保健危機の拡大、無用な身体的・精神的苦痛、女性の尊厳の喪失、そして多くの死をもたらすでしょう。
IPPFは、何百万人もの女性や若者にセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)サービスを提供するプログラム運用のための6,100万米ドルの資金を失うと予想しています。世界13カ国、16の保健医療プロジェクトがGGRの影響を受けます。資金が途絶えれば、人道危機下の女性や健康問題に苦しむ女性を含め、多くの人々がIPPFの重要なサービスを受けられなくなります。
IPPFマラウィ(FPAM)のドナルド・マクワクワ(Donald Makwakwa)事務局長は、「GGRの再導入は、SRHへのアクセスがすでに限られているマラウイの女性と女児に壊滅的な結果をもたらすでしょう。予測されるFPAMへの経済支援停止は、女性と女児に不均衡な被害を与えます。彼女たちの多くは、計画外の妊娠、安全でない中絶、妊娠・出産時の死亡リスクを避けるために、これらのサービスに頼っています。これは、女性の命と身体の自己決定権をないがしろにする残酷な政策です」と述べています。
GGRは、IPPF加盟協会が活動するコミュニティに壊滅的な影響を与える他の米国の外交政策に、さらに追いうちをかけるものです。つい昨日も米国国務省の海外援助課が、新たな対外援助支出の即時停止と、既存の助成金や契約に対する業務停止命令を世界に向けて発表したばかりです。また、新たな大統領令はトランスジェンダー、ノンバイナリー、インターセックスの人びとを標的にしたもので、IPPFのコミュニティに大きな恐怖をもたらしました。
さらにDEI(多様性・公平性・包摂性)施策撤廃の大統領令によって関連援助が削減されることが決定し、米国は中絶反対の共同声明である「ジュネーブ合意宣言(Geneva Consensus Declaration)」を再び支持する予定であることも発表されました。この宣言はブラジル、エジプト、ハンガリー、インドネシア、ウガンダ、米国政府の代表者を名乗る人々が提唱、2020年10月22日に34カ国によって署名されたものです。
外国援助が政治的な武器としてヘイトの増幅に利用され、多様な女性やLGBTQI+の人びと、貧困層、移民のコミュニティがその弊害を受けていることは明らかです。
私たちは、私たちが寄り添ってはたらく人々の命を救うサービスをこれまでも、そしてこれからも放棄することはありません。私たちは、各国政府やドナーに対して、このような攻撃的な行為によるダメージと損害を訴え、行動を起こすよう強く求めます。IPPFは地域社会と連帯します。 今こそ団結し、世界のすべての人のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ/ジャスティス(SRHRJ)実現のために闘う時です。
グローバル・ギャグ・ルールについての詳細はこちらをご覧ください: グローバル・ギャグ・ルール|IPPF
when
country
マラウイ
region
アフリカ
Related Member Association
Family Planning Association of Malawi, Family Guidance Association of Ethiopia