2025年7月、IPPF全地域から86の加盟協会(MA)が、トランプ政権の資金削減や政策が自国でのサービス、利用者の状況、資金調達あるいはセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRHR)全般にどのようなマイナス影響をもたらしているかについての調査に回答しました。この調査結果から、連盟や各国のパートナー団体でプログラム提供や資金調達、さらにサプライチェーン上で、重大かつ継続的な断絶が生じていることが明らかになりました。
IPPFの対応
調査結果に基づき、最も被害を受けたMAが必要不可欠なサービスや物資の提供を継続できるよう、被害低減拠出金(Harm Mitigation Grants)の2回目の提供を開始します。ただし、依然として全体の需要は調達可能資金を上回っています。目標とされるサプライチェーンのトリアージ(優先順位づけ)プロセスでは、各MA団体からの詳細な報告データに基づき、物資不足が深刻な地域を優先。第2回被害低減拠出金については、今週中に詳細を発表します。と同時にIPPFは引き続き関連のリプロダクティブ・ヘルス、家族計画、HIV関連パートナー団体と緊密に連携し、被害低減の対応や資源の緊急提供を求めるアドボカシー強化に取り組んでいます。
主な調査結果
・8,720万ドル: 2025年から2029年にかけて推定される連盟全体の総資金損失額
・106件:影響を受けたプロジェクト数。64件が中止、42件が予算/範囲縮小、UNFPA(41件)、USAID(37件)のプロジェクトへの影響が最も甚大。
・人員とアクセス: 34のMAで969人のスタッフが失職、29のMAで1,394カ所のサービス提供拠点が閉鎖され、推定886万人の利用者に影響。
・HIVサービス: 35のMAがマイナス影響を報告。最多は検査能力の低下、サービス、物資へのアクセス減少。
・物資:28のMAがSRH関連物資の在庫レベル減少を報告。中でも避妊具(薬)が最大。数カ国で不足が差し迫った状況。
・組織の健全性: 33 の MA が財政的持続困難を報告。27 の MA がパートナーシップや運動構築の能力低下を報告。
資金調達の影響
・46 の MA がすでに資金喪失。報告されたMAの資金損失総額は4,300万ドル(2025~2029年)で、そのうち3,170万ドルは2025~2026年分。総額のうち2,600万ドルはアフリカ地域、940万ドルはアラブ世界地域での損失額。
・8つのMA団体がそれぞれ200万ドル以上を失い、25のMAが2025年の予算の少なくとも20%を失う。最低でもさらに980万ドルが損失の危機。
・事務局の損失は2028年までで総額1,430万ドル。
・さらに、連盟全体で、2,990万ドル相当の複数年契約案件不成立または契約保留の見込み。
サービス提供とリーチ
・調査に回答したMAのうち、40%(34のMA)がスタッフを解雇し、MA全体では969人が失職。3分の1(29のMA)がサービス提供拠点を閉鎖。このうち7つのMA団体では、全サービス提供拠点のうち半数かそれ以上を閉鎖。
・969人の 人員削減(アフリカ396人、南アジア301人)と1,394カ所のサービス提供拠点の閉鎖(アフリカの1,175カ所を含む)により、SRHRサービスの利用者が推定886万人減少(アフリカ590万人、アラブ世界260万人)。
HIV関連への影響
・35のMAが、HIV検査能力の低下、サービス提供の減少、HIV関連物資へのアクセス減少など、HIVプログラムへのマイナス影響を報告。
物資とサプライチェーン
・28のMAが、SRH関連物資の在庫レベル減少を報告。最大の影響は避妊具(薬)、次いで性感染症(STI)検査/治療用品。打撃を受けたサービスは、避妊(20 のMA)、STI検査/治療(14)、婦人科(9)、性暴力の臨床管理(8)、産科ケア(7)、安全な中絶(6)など。
・2年間の物資調達資金は、5カ所のMA(例:ウガンダ、モザンビーク、ナイジェリア、タンザニア、バングラデシュ/Population Services and Training Center:PSTC)で1,300万ドルの不足、他の11のMAでさらに最大100万ドルの不足。
・大規模なMA団体は、IPPFの被害低減基金(Harm Mitigation Fund)や制限付きプログラム(英国外務国際開発省 WISH2、カナダ・グローバル連携省EmpowHER など)により、2025 年中の在庫に問題はないと報告しているが、2026年には、複数の国でUNFPA 供給物資資金の大幅な不足が予想されている。
より広範な組織および国レベルの影響
・33 の MA が財政的持続可能性への打撃に言及。27 の MA がパートナーシップやネットワーク構築、活動能力の低下を報告。
・連盟内に留まらない国レベルの懸念としては、CSO/NGO の閉鎖やスタッフ数の削減、各国内の全体的なSRHサービス提供の減少などが挙げられる。
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