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  シリア
IPPF加盟協会はシリア地震の直後から被災者に寄り添い、リプロケアを提供しています
IPPFシリア(SFPA)は地震発生後、最初に被災地に到着した機関の一つとして、被災者のシェルターや宿泊施設への安全な避難を支援しました。
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| 26 September 2025
速報: 米国の医療物資廃棄指示により、アフリカの140万人以上の女性と女児が避妊具(薬)の提供を断たれる
2025年8月6日、米国が資金提供した避妊具(薬)約970万米ドル相当が、フランスで廃棄(焼却)処分となる予定であることが判明しました。このうち77%は、アフリカ地域にある5カ国(コンゴ民主共和国(DRC)、ケニア、タンザニア、ザンビア、マリ)への供給が計画されていました。これらの国では、すでに深刻な人道危機に直面しています。避妊具の焼却処分により、140万人を超える女性や女児が命を守るためのケアを受けることができなくなります。避妊具の使用期限は2027年から2029年のものが多く、有効かつ必要不可欠な医療物資が人びとの手に渡らずに横暴かつ無意味に廃棄されようとしています。影響を受ける国々のIPPF加盟協会(MA)も避妊具の供給先となっていました。しかし、焼却処分決定を受け、急激な供給不足に直面しています。ベルギーのブリュッセルに保管されている避妊具の40%以上は、タンザニア向けの出荷分に割り当てられていました。IPPFタンザニア(UMATI)のプロジェクトコーディネーター、バカリ・オマリーは、「極めて大きな問題に直面しています。米国国際開発庁(USAID)の対外援助削減で、タンザニアでのSRH(性と生殖に関する健康)サービス提供はすでに甚大な影響を受けていました。避妊具、特にインプラントの不足が深刻で、人びとの家族計画の選択に直接的な影響が及んでいます」と述べています。今回の措置は、米国の冷酷な政治決定に対する新たな怒りを招いています。破棄対象の避妊具はすでに製造・包装され、輸送準備も整っていました。IPPFは、米国の納税者に代わって配送費を負担する提案をしていましたが、米国政府はこれを拒否しました。ベルギーからフランスの施設までの輸送、保管、焼却の追加費用を考慮しても、米国政府の対応からは、明らかに政治的思惑が経済的合理性を優先していることがわかります。「使用可能な医療物資を廃棄することは、愕然とするほど非常に無駄な行為です。これらの命を救う医療用品は、リプロダクティブ・ヘルスケア(性と生殖に関する医療)がもともと限られている国々に送られる予定でした。特に、コンゴ民主共和国などでは、広範な人道支援の一環として捉えられていました。焼却は不当な行為であり、女性や女児の健康と権利を擁護する私たちの活動を弱体化させるものです」と、マリー・エヴリン・ペトルス=バリーIPPFアフリカ地域事務局長は述べています。IPPFのアフリカにおける現地パートナーは、人びとの命を救うケアサービスを提供する上で、今後さらなる課題に直面することになります。RHSC(Reproductive Health Supplies Coalition)の報告によると、避妊具の損失は、36万2,000件の望まない妊娠および11万件の安全でない中絶を引き起こすと推計されています。 タンザニア:103万1,400個の注射型避妊薬および36万5,100個のインプラントの供給中止。これは、タンザニア保健システムへのUSAID年間支援分の50%を超え、同国の年間必要量の28%にものぼります。マリ:110万880個の経口避妊薬および9万5,800個のインプラントの供給中止。これはマリの年間必要量の24%に相当します。ザンビア:4万8,400個のインプラントおよび29万5,000個の注射型避妊薬の女性への供給中止。ケニア:10万8,000人の女性が、インプラント入手不可能となり、これは年間必要量の13.5%に相当します。 IPPFケニア(Reproductive Health Network in Kenya)のネリー・ムニャシア事務局長は、「ケニアでは、米国の資金援助停止の影響がすでに現れています。資金凍結によって避妊具の在庫不足が生じ、15カ月分の備蓄が必要なところ、現在在庫は5カ月分を下回っています。その他にも医療従事者の能力向上研修が縮小され、デジタルロジスティクスや医療・保健情報システム(HIS)に混乱が生じ、ケニアの国家家族計画プログラムの資金不足比率が46%になりました。これらのシステム面での障害は、避妊具のアンメットニーズが高い状態で発生しています。ケニアでは15歳から19歳のティーンエージャーの約5人に1人がすでに妊娠または出産を経験しています。また、依然として妊産婦死亡原因の上位5位以内に安全でない中絶が入っている状況です」と述べています。IPPFフランス(Le Planning familial)のサラ・デュロシェール事務局長は、「私たちはフランス政府に対し、責任ある対応をとり、USAIDが資金提供した避妊具の焼却を防止する措置を講じるよう緊急措置を求めています。ベルギーなどが米政府に働きかけているにも関わらず、フェミニスト外交を掲げるフランスが沈黙を守っているのは到底容認できません。この不正義のなかで、命を救う支援物資を頼りにしていた人びととの連帯は、選択の余地のない道徳的義務です」と述べています。「必要不可欠なケアがイデオロギーによって破壊されるのを黙って見過ごすことはできません」と、バリーIPPFアフリカ地域事務局長も述べています。注:・影響を受けた国のIPPF現地パートナーは以下の通りです。Reproductive Health Network Kenya, Chama cha Uzazi na Malezi Bora Tanzania, Association Malienne pour la Protection et la Promotion de la Famille, Planned Parenthood Association of Zambia, Association Burkinabé pour le Bien-Etre Familial, Association pour le Bien-Etre Familial/Naissances Désirables 本件の詳細については、谷口百合(ytaniguchi@ippf.org)までご連絡ください。
  
| 10 February 2025
政権移行期のシリアにおけるSRHRの保護と推進
IPPFは、すべての人に必要不可欠なSRHR(性と生殖に関する健康と権利)サービスを提供するIPPFシリア(SFPA)への支援を今後も継続します。シリアの不確実かつ不安定な状況の中、SFPAと協力して地域社会をエンパワーし、女性や若者の権利を守り、ますます脆弱な状況に追い込まれ、社会から周縁化された人々の喫緊のニーズに対応し続けます。 私たちの共通の使命は揺るぎません。それは、いかなる政治的、社会的問題があろうと、すべての人の尊厳と健康が尊重され、選択肢がある状況を守ることです。どのような不確実な状況においても、SRHRサービスの提供は継続しなければなりません。たとえ紛争下でも、家族計画、妊産婦の健康管理やジェンダーに基づく暴力(GBV)ケアのニーズは強まることはあってもなくなることはないからです。 シリアは現在、政権移行期間にありますが、このような難局だからこそ、SRH(性と生殖に関する健康)を二の次にはできません。最も脆弱な立場に置かれた人々、とりわけ女性と若者の健康とウェルビーイング(健康に安心して暮らせること)は、依然として最優先事項です。家族計画、産後ケア、GBVスクリーニングなどの重要なサービスを提供し続けるSFPAの活動は、むしろこれまで以上に重要です。 SFPAは、ハサカの最前線で5,000人以上の人びとを直接支援していますが、その大半はリプロダクティブ・ヘルスケアサービスを緊急に必要としている女性です。これらの女性たちは、安全かつ包括的な保健サービスを受けられないために、合併症の高リスクに直面していますが、SFPAはこの問題に対応しています。また、家族計画の選択肢や産後ケア、GBVスクリーニングの提供に至るまで、脆弱な状況にある女性たちの存在が忘れられないよう注力しています。 ダラア南部や包囲されたホムスのアル・ワールにあるSFPAの診療所は、困窮する人びとにとっての避難所であり、希望の光となっています。診療所では、1日に最大70人の受益者に対して、健康相談や早婚に関する啓発など、極めて重要なサービスを提供しています。 車両の没収やホムス郊外の診療所の一時的な閉鎖など、これまでSFPAは数々の困難に直面してきました。それでも、SFPAが忍耐強く提供し続けるSRHRサービスは、シリアの人びとにとって命綱となっています。SRHRを守るためのSFPAのたゆまぬ活動を今後もサポートし、すべての女性、若者、周縁化された人々が、自分たちに必要なケアを受けられるようにしていきます。 環境や生活が不安定な状況においても、尊厳、健康、そして選択のためにIPPFは人々と共に歩みます。大きな課題ですが、SRHRサービスを維持することの重要性は計り知れません。IPPFは困窮する人々を支援し、誰もが適切なケアと権利を享受できる未来に貢献します。 画像:SFPA/Wasim Kashlan