2025年1月21日 − 国際家族計画連盟(IPPF)は、トランプ政権が世界保健機関(WHO)向けの財政支援を撤回する決定を下したことを強く非難します。
この大統領令は、米国の人々だけでなく、世界の保健、そして私たちが寄り添って働く地域社会に壊滅的な結果をもたらすでしょう。この決定は、重要な使命を遂行するWHOの能力を著しく損ない、人命を犠牲にするものであり、発効までに1年間の猶予があります。
米国はWHOへの最大の単独拠出国として、WHO資金の約18%を提供しており、2024年から2025年現在の2年間の予算は68億ドルに設定されています。米国からの資金拠出が停止されれば、前例のない財政不足が生じ、必要不可欠な保健プログラム、パートナーシップ、そして世界の公衆衛生が脅かされることになります。
1948年に国連の一部として設立されて以来、WHOはグローバル・ヘルス・イニシアチブの最前線に立ってきました。マラリアや結核との闘いから、女性や子どもの健康、栄養、衛生状況の改善まで、国際保健政策、予防、疾病撲滅においてWHOの役割は不可欠です。今日、WHOは研究、技術支援、保健動向監視の重要な拠点として、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)など、世界で最も緊急性の高い保健上の課題に取り組んでいます。
世界の妊産婦死亡率は、2016年以降、出生10万人当たり約223人で停滞しています。大幅な減少を記録したのは、WHOの1つの地域(東南アジア地域)のみで、他の地域は停滞もしくは増加を記録しています。
アルバロ・ベルメホIPPF事務局長は、「WHOへの資金供与停止は、何百万もの人々、特に最も脆弱な立場に置かれた人々の健康とウェルビーイング(安寧)に対する直接的な攻撃です」と述べています。「グローバル・ギャグ・ルールの拡大に先立ち、WHOから資金を剥奪するのは二重に状況を悪化させる決定です。保健医療コミュニティは、医療従事者、患者、診療所に対する前例のない攻撃に集団で耐えてきましたが、持ちこたえられたのは米国の前政権の支援があってのことでした。平和は最良の薬であり、私たちはトランプ政権に再考を促します。世界はWHOの繁栄を必要としています。世界中の女性、少女、LGBTQ+の人々がIPPFの繁栄を必要としています。IPPFは、テドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長とWHOと連帯します。私たちは抵抗し続け、平和のため、そしてすべての人の性と生殖に関する健康と権利/社会正義(SRHRJ)のために闘い続けます」
IPPFは国際社会に対し、WHOと連帯し、米国資金拠出撤回による壊滅的な影響を緩和するための協力を呼びかけます。数え切れない人々の生命と健康が危機に瀕しており、私たちは世界の保健システムが強固で強靭であり続けるよう、緊急に行動しなければなりません。
詳細については media@ippf.org までお問い合わせください(英語)
when
region
アメリカ・カリブ海地域